2026年前半の主要発表まとめ
しばらく更新できていなかったので、この間にあったIBM i / Power関連の主要な発表を時系列(古い順)でまとめておきます。
1. Power10サーバーの販売終了発表 (2026年1月13日)
2026年1月13日に、Power10サーバーの主要モデルの販売終了(ハードウェア・ウィズドロー)が発表されました。販売終了日は2026年7月31日、つまり今月末です。対象となるモデルは下記のとおりです。
| モデル | Machine Type-Model |
|---|---|
| Power E1080 | 9080-HEX |
| Power E1050 | 9043-MRX |
| Power S1014 | 9105-41B |
| Power S1022 | 9105-22A |
| Power S1022s | 9105-22B |
| Power S1024 | 9105-42A |
| Power L1022 | 9786-22H |
| Power L1024 | 9786-42H |
ポイントは下記です。
- 上記モデルの新規注文は2026年7月31日で終了(中国と韓国のみ2027年7月30日)
- E1080(9080-HEX)とE1050(9043-MRX)の機構(フィーチャー)販売終了は新規システム注文のみが対象で、MESパーツの注文は継続可能
- Power10からPower11への移行を検討するタイミングになりました。なお、S1012(9028-21B)は今回の対象に含まれていません
詳細は発表レター「Hardware withdrawal: Selected Power10 servers and miscellaneous features」をご覧ください。
2. ACSのアップデート (2026年1月〜5月)
IBM i Access Client Solutions (ACS) は今年に入って3回更新され、現時点の最新バージョンは1.1.9.13です。
- 1.1.9.11 (2026年1月):CVE-2025-66516(PDF内の細工されたXFAファイルによるXML外部実体注入)に対する重要なセキュリティ修正。IBMは1.1.9.8〜1.1.9.10の使用を中止して1.1.9.11以降にアップグレードするよう強く推奨しています
- 1.1.9.12 (2026年4月):Run SQL ScriptsでのSELFユーティリティ対応、ソース物理ファイル保存時の改善(x25行末コードを挿入しない保存、レコード長の強制)、Insert from Examplesに13個の例を追加など
- 1.1.9.13 (2026年5月):CVE-2026-41409、CVE-2026-41635、CVE-2026-7770のセキュリティ修正。IBM i Navigatorからのリクエストを受け付ける構成にしている場合にリモート・コード実行の脆弱性があるとのことなので、早めの適用をお勧めします
セキュリティ修正が続いているので、古いバージョンをお使いの方は最新版への更新をご検討ください。次回の更新は2026年8月に予定されています。
3. Power S1112、IBM i 7.6 TR2、IBM i 7.5 TR8の発表 (2026年7月14日)
2026年7月14日に、Power11のエントリーモデル「IBM Power S1112」と、「IBM i 7.6 TR2」「IBM i 7.5 TR8」が発表されました。昨年のPower11発表時にラインアップに含まれていなかったS1012の後継が、ようやく登場したことになります。
Power S1112
- Power11プロセッサー搭載のエントリーモデル(4コアまたは10コア)。出荷開始は2026年7月24日
- IBM i はソフトウェア層P05(4コア、メモリー64GBまで)で利用可能。残りのリソースはAIX/Linux/VIOS用に割り当て可能
- メモリーはDDR5で最大512GB(S1012の2倍)、メモリー帯域幅は102GB/sから256GB/sに向上
- NVMeストレージは最大12.8TB、ラックマウント型(9242-21B)とタワー型(9242-21T)を用意
- ラック型はI/O拡張ドロワーに対応
IBM i 7.6 TR2
- セキュリティ:IBM Cloud Key Protectと連携したBYOK(Bring Your Own Key)対応。マスター・キーの保管やラップをIBM Cloud側で行えるようになりました
- Migrate While Active の強化:ターゲット・システムのコピー作成方法として、従来の保管/復元に加えFlashCopyやGlobal Copyなどの外部ストレージ・ベースのレプリケーションが利用可能に。計画停止時間の削減がさらに進めやすくなります
- Db2 for i / SQLサービスの拡張(Db2 PTFグループ SF99960 レベル3):SYSTOOLS.CVE_INFO()、SYSTOOLS.GENERATE_SPREADSHEET()、SYSTOOLS.CHECK_COMMAND_SYNTAX()など多数の新サービスが追加
- ほかにBRMSの強化、SMTPのOAuth対応、Navigator for iの強化など
- Power S1112のサポートもこのTRに含まれます
IBM i 7.5 TR8
- 7.6への即時アップグレードを予定していないユーザー向けのTRで、Power S1112のサポートが追加されています
リンク先は下記のとおりです。
- Ricardo Martinsさんのブログ(英文):IBM Power S1112, IBM i 7.6 TR2 and IBM i 7.5 TR8: A Practical Path to Modernisation
- 7.6 TR2の機能拡張一覧:IBM i 7.6 - TR2 Enhancements
- iWorldの記事(日本語):Power11プロセッサー搭載最新モデルS1112の登場