S1012+IBM i 7.6の前提ファームウェア

S1012にIBM i 7.6をインストールする場合、ファームウェアは2025年3月7日に出たML1060_107_053 / FW1060.30が前提です。

詳細はIBM TechXchange Communityに投稿した「Do I need to update my Power10 firmware to release up from 7.5 to 7.6?」(英文)をご一読ください。

技術情報の「IBM i 7.6 - Base Enhancements」アナウンスメント・レターには「FW1060」としか記載されていません。古い「1030」でも動いている実績があるようですが、下記の理由から上げておくのが無難でしょう。

  • 1つ前の「ML1060_093_053 / FW1060.21 2025/02/21」がセキュリティの脆弱性に対応1しており、HIPER2となっている
  • 最新のHMC管理のサーバーであれば区画を停止せず3に1時間程度で適用が可能
  • 障害発生時にファームウェアを上げるように指示される可能性があり、その場合は対応に追加の時間を要する

S1012以外のPower10サーバーにIBM i 7.6をインストールする場合は、事前に「IBM Pre-Upgrade Verification Tool for IBM i」「The Fix Level Recommendation Tool (FLRT)」で確認することをお勧めします。

「転ばぬ先の杖」ですね。


  1. ファームウェア更新内容の詳細は「Power10 System Firmware Fix History - Release levels ML10xx」を参照。なお、Power10ではHMCもバージョン10が必要となり、BMC(ベースボード管理コントローラ)とか新しい概念が導入されています。正直このあたりは全く分かっていないので、興味のある方は「HMC、BMC、VMI、eBMC、FSPのあれこれ」などをご一読ください。 

  2. 「High Impact/PERvasive」(影響が大/広範)の略。できるだけ速やかに適用することが推奨される。詳細はIBMの「POWER Code Matrix - Terminology」を参照。 

  3. HMCのバージョンなど前提があるので、手順などは「Power System Concurrent Firmware Update HMC V10R1M1020 or later」を参照。