IBM ESS復旧 (&Wgetで楽々D/L)

2025年4月18日のGA(利用可能予定日)からずっとD/L不可の状態だったIBMのEntitled Systems Support (ESS)が4/23の昼頃に復旧し、IBM i 7.6がダウンロードできるようになりました。

これがソシャゲのリリースだったら炎上しているところですが、さすがに基幹OSをすぐに必要とするユーザーは少ないでしょう。間に土日(とイースター)があったのも復旧に数日を要した原因の一つかもしれません。


以下は余談で、「楽してESSからS/Wをダウンロードする方法」です。

以前からあったのか記憶に無いのですが、「ステップ 6: HTTPS を使用したダウンロード」の「ソフトウェアのダウンロード」画面に「すべてのリンクをダウンロード」というボタンがあります。

このボタンをクリックすると、ダウンロード先URLがリストされたテキストファイル「ESS_selected_HTTP_download_links.txt」をダウンロードできます。このファイルをWgetから利用すればリストの全ファイルを容易にダウンロードできます。

  • WindowsであればここここからWgetのバイナリーが入手可能
    • Wgetのバージョンが古いと通信エラーになるので最新の安定板を利用すること
    • 主要なS/Wを自宅PCでダウンロードしたところ、15GB(42ファイル)で3時間15分くらい。WiFi接続で1.3MB/sしか出ていないので、会社で有線接続なら2時間かからない?
  • IBM i では現時点でwgetの1.20.3-4がACSの「オープン・ソース・パッケージ管理」からインストール可能
    • Windows用のWgetは改行がCRLFでも動くものが多いが、IBM i で実行するときはテキスト・エディターやdos2unixでUNIX標準のLFに改行コードを変えないとエラーになる
  • 考慮点
    • Wgetは複数URLの同時ダウンロードはできないので、Wget2を使うか、他のツールと組み合わせると時間が節約できるかも
    • 「ESS_selected_HTTP_download_links.txt」には不要なS/W(DB2 Multisystemや日本語以外の言語用S/Wなど)が含まれているので、Wget実行前に削除しておく

実行例として、IBM i にsshで接続してWgetを4並列実行すると下記のようになりました。複数のダウンロードの進捗状況が最下行に上書きされますが、進捗はわかります。末尾に「-q」を追加すれば何も表示しなくなります。

bash-5.2$ dos2unix ESS_selected_HTTP_download_links.txt
dos2unix: converting file ESS_selected_HTTP_download_links.txt to Unix format...
bash-5.2$ xargs -a ./ESS_selected_HTTP_download_links.txt -n 1 -P 4 wget
--2025-04-24 01:14:58--  https://delivery03-bld.dhe.ibm.com/sdfdl/efacdl/ISERIES/Xa.2/Xb.
 ~~~~~~~~~~~~~~中略~~~~~~~~~~~~~~~
Resolving delivery03-bld.dhe.ibm.com... connected.
170.225.126.39
Connecting to delivery03-bld.dhe.ibm.com|170.225.126.39|:443... connected.
HTTP request sent, awaiting response... connected.
HTTP request sent, awaiting response... HTTP request sent, awaiting response... HTTP request sent, awaiting response... 200 OK
Length: 218103808 (208M) [application/octet-stream]
Saving to: 'NLV_2924_IBM_i_760_English_LCD8_2071_04.udf.1'

                 NLV_2924_IBM_i_760   0%[                                                                    ]  22.84K  76.1KB/s               200 OK
Length: 191889408 (183M) [application/octet-stream]
Saving to: 'NLV_2930_IBM_i_760_Japanese_LCD8_2076_04.udf.1'

                  NLV_2930_IBM_i_76   0%[                                                                    ]       0  --.-KB/s               200 OK
Length: 219152384 (209M) [application/octet-stream]
Saving to: 'NLV_2938_IBM_i_760_English_U_C_DBCS_LCD8_2081_04.udf.1'

                  NLV_2938_IBM_i_76   0%[                                                                    ]       0  --.-KB/s               200 OK
Length: 220200960 (210M) [application/octet-stream]
Saving to: 'NLV_2984_IBM_i_760_English_U_L_DBCS_LCD8_2101_04.udf.1'

    NLV_2924_IBM_i_760_English_LCD8  61%[========================================>                           ] 127.55M   376KB/s    eta 3m 37s

WRKACTJOBで見るとWgetが4ジョブ(スレッド?)動いていることが確認できます。

                                活動ジョブ処理                         GURI     
                                                         25/04/24  01:26:07 JST 
 CPU %:    11.9     経過時間 :   00:18:48     活動ジョブ :   201                
                                                                                
 オプションを入力して実行キーを押してください                               
   2= 変更   3= 保留     4= 終了   5= 処理   6= 解放   7= メッセージ表示        
   8=スプールファイル の処理   13= 切断 ...                                           
                      現行                                                      
 OPT  サブシステム/ジョブ   ユーザー      タイプ  CPU %   機能            状況             
        QCTXMGR      QSECOFR     BCH      .0                   SELW             
        QP0ZSPWP     QSECOFR     BCI      .0  PGM-sshd         SELW             
        QP0ZSPWP     QSECOFR     BCI     1.1  PGM-sshd         SELW             
        QP0ZSPWP     GURICAT     BCI      .0  PGM-bash         THDW             
        QP0ZSPWP     GURICAT     BCI      .0  PGM-xargs        THDW             
        QP0ZSPWP     GURICAT     BCI      .1  PGM-wget         TIMA             
        QP0ZSPWP     GURICAT     BCI      .1  PGM-wget         TIMA             
        QP0ZSPWP     GURICAT     BCI      .1  PGM-wget         TIMA             
        QP0ZSPWP     GURICAT     BCI      .0  PGM-wget         TIMA             
                                                                       続く ... 
 パラメーターまたはコマンド                                                     
 ===>                                                                           
 F3= 終了   F5= 最新表示   F7= 検索   F10= 統計の再開   F11= 経過データの表示   
 F12= 取り消し   F17= 先頭   F18= 最後   F23=オプション 続き   F24= キーの続き      


うまくいけば次回は7.6の使用感が書けるかもです。