Powerサーバーの脆弱性
10月25日付けでPower Systemのセキュリティ速報(Security Bulletin)が出ています。
詳細は下記のリンク先を参照ください。
脆弱性の内容は「IBMフレキシブル・サービス・プロセッサー(FSP)1には静的資格情報があり、ネットワーク・ユーザーがFSPに対するサービス権限を取得できる場合があります」だそうです。CVSSスコアは9.8(最大10)なので、かなり深刻ですね。「CWE-798: Use of Hard-coded Credentials (ハードコードされた認証情報の使用) 」にあたるようなので、設計時点のセキュリティ考慮不足に見えます。
対象となるサーバーの抜粋は下表を参照。完全なリストはIBMの元文書で確認ください。
モデル | 脆弱性のあるバージョン | |
Power10 | E1080 | FW1060.10以下、FW1050.21以下、FW1030.61以下 |
Power9 | S914, S924など | FW950.C0以下 |
Power8 | S814, S824など | FW860.B3以下 |
使用中のサーバーにこの脆弱性が該当するかは、5250画面からDSPFMWSTSコマンドを実行してサーバー・ファームウェアのバージョンを表示し、上の表の脆弱性のあるバージョンに該当するか比較します。
確認の結果、最新のサーバー・ファームウェアが必要な場合は、「IBM i SERVER FIRMWARE FAQ (英文)」などを参照するとよいでしょう。
FSPの脆弱性なので、多くのユーザー(私も含めて)は具体的にどう危ないかわからない気がします。とはいえ、CVSSスコアが高いので対策は必要かなと。
-
診断、初期化、構成、ランタイム時のエラー検出、および修正を行うファームウェア。フレキシブル・サービス・プロセッサーは、管理対象システムをハードウェア管理コンソールに接続する。(「Power Systems 用語集」より) ↩