Authority collection (権限収集)は役に立つか?

IBM i 7.3からOSに組み込まれたAuthority collection(権限収集)機能は、使い方が難しい機能と思っています。Authority collection自体は「誰が、何を、どのレベルの権限でアクセスしたか」を収集します。収集された情報を評価するには、「誰が、何を、どのレベルの権限でアクセスすべきか」を決める必要があり、そのために多くの時間と工数が必要です。厳格なセキュリティを適用するためのリソース確保が難しい場合は、「Is Authority Collection The Right Thing For IBM i Security?」に記載されているようにツールの利用を検討するか、あるいは、これまで通りにAuthority collectionに依存しないセキュリティモデルを考えるべきでしょう。

セキュリティ関連では2017年4月の「State Of IBM i Security: Seven Areas That Demand Attention」という記事も興味深いです。「2016年に332のシステムで実施されたセキュリティ評価に基づいたレポートの調査結果」を紹介しており、今でも8年前と大きく状況は変わっていない気がするので興味のある方はご一読をどうぞ。

また、「Guru: IBM i Experience Sharing, Case 1 – Object Authority Check And Batch Job Performance」のように、適切な権限を付与してバッチ処理時間が8時間→4.5時間に短縮された例もあります。正しい知識(スキル)に基づいてバランスをとる事が肝要でしょう。